「ねぇ、学校行かない?」
電話に出ると、まず第一声に聞こえたのは、それだった。
「は?」
学校?何故?しかもこんな時間に?
―――現在の時刻 午後9時
「今、一護の家の前にいるから準備できたら出てきてね」
ブツッツーツー……
「は?」
わけもわからず、言われたままに一護は着替え、上着を羽織った。
夏にも関わらず、今日は肌寒い。
「やっほー一護!」
ひらひらと手を振っているのは幼馴染の。
今日のこの肌寒さなど関係ありません、とでもいうような服装。見てる俺の方が寒くなる。
そうだろうと思って一枚余分に持ってきておいた俺の上着をの顔目がけてポイと投げた。
「着とけ、寒いだろ」
目をパチクリさせ、は次にくすりと笑った。
「ありがと」
夜の暗い道を二人で並んで歩く。
「にしてもなんで学校なんだ?しかもこんな時間に」
「うん、ちょっとね」
あ、はぐらかされた。
「とーちゃくっ!」
「はいはい。で?何処に向かえばよろしいですか、お嬢様?」
少し悪ノリして至極丁寧な口調でからかうように問う。
屋上!そういっては俺の手を引っ張って階段を上りはじめた。
少し、その頬をサクラ色に染めて。
バンッ!
大きな音を立てて、と一護は扉を開け、屋上へと足を踏み入れた。
「で、どうして屋じょ…?」
話しかければ、今迄隣にいたは既に隣にいない。
こっちこっち。その声のする方へ目をむける。
は屋上の真ん中で、夜空を仰いで寝ていた。俺も倣っての隣に寝転ぶ。
「あー」
屋上という、周りに高い建物がない此処は空の星が、まるでプラネタリウムのように綺麗に見える。
「ねぇ、一護…」
ぽつりとは呟くように一護の名を呼んだ。
「あ?」
「あんまり遠くに行かないでね?」
―――何も返すことができなかった。
ただ繋いだ手に、存在を確かめさせるかのように強く強く、力を込めた。
きっとはわかってる、俺と同じくらいの霊力の強いなら。
俺が死神になったことも。これからルキアを助けに行くことも。
だから此処に来た。
―――ごめんな、。明日から俺はあっちに行ってくる
二人の頭上高くを星が流れてゆく
祈るときを与えぬくらいに速く
それでも祈る者を嘲笑うかのように数多く
meteor
流星