なんで、可愛いんだろう

不意にそう思った















だけに















ジーッとリドルを見る

今は食事中。そして横にいるのは、学年トップで秀才のトム・M・リドル

親衛隊がいるくらいの美形に、外面の良さ

みんなは「格好いい!」と言うけれど

どう考えても





「(可愛いよなぁ)」





そう、とりあえず可愛い。

今も、サラダを食べようとしてフォークで刺したはいい

口に持っていく途中で





「っ!」

「あー、ドレッシングが・・・」





零したリドル

ムスッ、とした顔をするけれどどう見ても恥ずかしいのを隠しているようにしか見えない

何と言うか、どう言えばいいのか・・・

けれどソレよりも先にはドレッシングが零れてしまった部分を拭く





「・・・」

「よし、この位?」

「・・・悪い」

「いいえ〜」





プイッ、とそっぽを向くリドルをみてクスッと笑う

耳も赤くて頬も少し赤くて

子供みたい





「ほら、早く食べて」

「あぁ・・・」

「ボーっとしてるから落とすんだからね?」





朝は低血圧で覚醒しきっていないリドル

ボーっとしているから、先ほどのことは毎日のようにおきる

学習しようと思わないのか不思議だ





けれどまぁ、可愛いからついつい許してしまう

それだけ自分はリドルに惚れていると言うことだろう

不愉快ではない、寧ろ喜ばしいと思う

自分も丸くなったもんだ・・・と少し、自嘲的に笑った































「あれ、リドルどうしたの?」




時は過ぎて深夜、そろそろ寝ようとしたらリドルが現れた

よくばれなかったな・・・と思うけれど、流石リドルと感心してしまう

1人部屋で良かった。

すると、勝手にベッドに入って寝る体制

いやいやちょっと待て





「リドルくーん?」

「・・・うるさい」

「どうしたの?」





プイッとこちらに背を向けてしまう

小さく丸まっている姿は年相応

けれど、意味が分からず顔を顰める





「リドル?いくら私が彼女だからって夜中にコレはないでしょー?」





肩をゆさゆさ揺さぶる

けれどリドルはまったく此方を見ようとしない

本当にどうしたのだろう、はぁ・・・とため息を吐く

と言うことで、自己分析してみた





真夜中(そろそろ3時近く)

急にやってきたリドル、きっと今まで寝ていたに違いない

寝癖が付いている

では、何故起きて此処にいいる?

それは起きたくて起きた訳じゃないと言うこと





ははーん・・・。とは思い、リドルの頭を撫でた

ビクッと震えた体

そして視線が向けられる

涙に濡れた跡がある瞳

微笑を浮かべつつ問う





「・・・怖い夢でも見た?」

「・・・うるさい・・・」

「可愛いなぁリドルは」

「うるさい!」





そういいながら毛布の中へと潜っていくリドル

はそれを見て微笑んだ

本当に子供っぽいんだから

けれどこんな一面を見せてくれるのは自分だけ、と思うと

凄く嬉しく思う





「しょうがないなぁ」

「・・・」





ランプを消しても布団の中に入った

リドルに背を向けて寝る体制になる

瞳を閉じて、いざ夢の世界へ・・・











と思ったけれど呼ばれて意識を保つ

寝ぼけ声で「んー?」と問い返すと、腕が伸びてきた

リドルの腕の中にスッポリと収まってしまった

何してんだか、と呆れつつ一応聞く





「どうしたの?」

「・・・別に」

「普通、別に何も無いのに勝手に人様の布団に入った挙句に後ろから抱きしめる?」

「・・・」

「まったく親衛隊の人に見せてあげたいわ・・・」





呆れたように呟く

すると腕の力が強くなった

ちょっと痛いかもしれない

リドルが口を開いた





・・・は」

「?」

「僕を捨てたり、しないよな」

「・・・」





寂しそうな声音に、一瞬ドキッとする

あぁ、また両親の夢でも見たのだろうか

そういう時は絶対にリドルは様子が可笑しい

子供のように縋り、人の体温を求める

だからか、と理解した

上半身を起こして、リドルの頭を撫でつつ言う





「捨てないよ、傍から離れるつもりはないしね」

「・・・そうか」

「安心して、私達が離れる時は私がふられた時だから」





ニッコリ笑って言う

此方から別れを切り出すつもりは無い

だったら別れた時・・・それは、自分がリドルに捨てられたとき

リドルも上半身を起こす、視線が合った





「・・・離さないさ」





腕をガシッと掴まれる

真剣な瞳に、一瞬目を見開いた

いつものリドルからは考えられないほどの真剣な顔

頬が熱くなるのが分かった





「離すもんか、は僕だけのモノだ」





不適に笑うリドル

嗚呼、やられた

そう思いながら少し照れ笑いをした





「そ、じゃぁ大丈夫」

「あぁ」

「寝よっか、起きれなくなっちゃうから」

「・・・

「ん?」





モゾモゾと毛布の中に体を埋めていくと頭上から声が降ってきた

何だろう、と一応制止して続きを待つ

視線が合ったままお互い固まる

リドルが少し口を開いては閉じ、開いては閉じ・・・何かを言おうとしている

段々頬が赤くなっていくリドル、あぁ可愛いなぁ

リドルの言葉を待つ、一体何を言うつもりなのだろう、予想しながら





「っ・・・」

「・・・」





ほらもう少し、頑張って。

少し微笑みつつ、じっと待つ

一回瞳を閉じて、何かを決意したらしい

リドルが真剣な眼差しで、一言告げた





「愛してる」





言い終わったと同時にそっぽを向いて毛布の中に入っていってしまうリドルが

どうしようも無く愛しかった





「私も・・・愛してるよ、リドル」





私だけに見せてくれる可愛い一面も

私だけに見せてくれる弱々しい姿も

格好良いリドルも、格好悪いリドルも

全部、全部

愛してる。

























0404
「私だけに(見せてくれる貴方の色々な顔)」
やっと出来た・・・。
リクエスト内容は「かっこいいんだけど可愛い母性本能を擽られるようなリドル」
・・・
どこが?と思われたことでしょう(泣)ただのヘタレになってしまいました・・・申し訳ないです><
こんなのでよかったらもらってやってください^^;
夕凪様相互ありがとうございました



翠様ー!大好きです、愛してます!←
やっぱりリドルんは可愛いのが一番ですよね、ヘタレなくせに俺様な所とかもにやけますが。
もうホント、私の我儘を聞いて下さってありがとうございます。
画面の向こうで夕凪は小躍りしています。